動画が進化したiPhoneでカメラを捨てられるか?

2年ぶりに新しいiPhoneを購入。
昔は毎年買い替えていたのだが、ここ最近は見送ることが多くなった。
15からUSB-Cに変わる噂を信じて14をスキップし、マイクしか進化しなかった16もスキップしている。
最近は発売日に来ないことが多かったので、予約開始前からアプリを開いてスタンバっていたのに、到着は10月中旬と一カ月遅れになってしまった。

iPhone 17 ProMax ディープブルー(黒がないから渋々この色を選択)

念願のRAW動画の搭載

今回購入の決め手はやっぱり、ProRes RAWの搭載。
毎年性能に進化がないと叩かれているが、カメラの進化しか見ていない僕からしたら大歓迎である。
一般ユーザーは、こんなニッチなカメラ進化のために高くなっているProシリーズをもっと怒っていいと思う。
それくらい動画撮影をしない人、さらに言うと動画編集をしない人には全くいらない機能なのだ。
だから、これが必要ない人は別にわざわざ高いProを買わなくて良いとさえ思っている。

本格的な動画撮影アプリ「Blackmagic Cam」などがRAW対応している

 

ただ、今回の目玉であるProRes RAWに関しては内部収録ができない欠点がある。
USB-CからSSDを繋ぎ、外部収録のみの対応。
この辺はオールイン・ワン・スマホにこだわるアップルらしくない点だ。
普通に考えたら「なんでこんな煩わしい機能を付けたんだ」と思うが、動画用機材ではよくあること。
近年だとアトモス社の外部モニターなども「8K収録は外部SSDのみ」みたいなことも過去あったので、今は過渡期なんだと思う。

ProRes RAWは外部ストレージの接続が必須

 

このまま順当に考えれば、今後はiPhoneにRAW動画搭載は当たり前になる。
そして、カメラ部門へ本格的な進出を試みるなら、カメラライト層のシェアが被っているパナソニック辺りのカメラ事業を買収して、アップルマウントみたいなものをプロ向けに発売することもありえるかもしれない。
そうなるとiPhone Proは現在のような内部カメラ強化モデルとなり、iPhone Ultra(仮)はカメラ特化のレンズマウント付きスマホみたいになるのかもしれない。

交換式レンズ特化のiPhone Ultraの想像形

動画撮影に必要なモノ

さて、本題に戻ると、iPhoneが最近届いたばかりで、部屋で試し撮りしかできていない。
そのため、まだこの機能の良さは正直わからない。
前述の通り、RAW動画にはSSD接続がマスト。
ちょうどiPhoneでの動画撮影に必要な機材を買い漁ったところなので、今回は値段の観点から買うべきか考察したいと思う。
僕の観点は、「ミラーレスカメラを手放せるか?」が注目するポイント。

まずは撮影をするのにこれだけの機材が必要になったので、ひとつひとつ何のために買ったか説明したいと思う。

1.ケース
2.レンズマウント
3.NDフィルター
4.SSD
5.ジンバル
6.MagSafeマウント
7.三脚

1.ケース(5,890円/Smallrig)


ケースはなんでもいいと思うが、動画撮影にはNDフィルターが必須になるので、マウントできるケースを選んだ。
純正並みに値段が張るが、かなり本体とフィットするし、抜群に良い。
もちろん、Magsafeや簡易スタンドなども付いているのでケースとしてのクオリティも高い。

2.フィルターマウント(2,190円/Smallrig)


ケースにNDフィルターを付けるためのマウントがこれ。
ケースと同じメーカーなので、煩わしさもなくとてもフィットする。
これを付けるだけでスマホとしてはかなり嵩張るが、ミラーレスを持ち歩かなくていいなら全然許容範囲。

3.NDフィルター(9,690円/Smallrig)


多分、普段カメラで動画を撮影しない方は、一番意味不明な機材だと思う。
この機材の役割は、単に暗くしてくれるだけ。
超簡単に説明するとレンズに付けるサングラスと思って頂けるとわかりやすい。
屋外で撮る時に明るすぎて白飛びするのを防いでくれるのが、このNDフィルターだ。
これを使わないのであれば、iPhone単体でシネマティックモードで撮影した方が断然良い映像が撮れる。
逆に、これを使うから本格的な撮影が可能になると言っても過言ではないほど、今回においては最も重要なアイテム。

4.SSD(23,800円/Lexar)


普段バックアップ用などで使用しているSSDなどでも代用可能だが、サイズが小さくiPhoneにフィットするということで、これをチョイス。
これの良い点は、Magsafeを使用しない点。
市販の多くは、ちょうど良い長さのケーブルとMagsafeで固定するSSDが主流のため、ジンバルや三脚などに即座にスイッチすることができない。
その点、このSSDは単体で固定されるので、ひとつスペースを空けることができる優れもの。

5.ジンバル(15,619円/DJI)


これはマストではないが、ミラーレス用のDJI RSシリーズを捨てられるなら買う価値はある。
本格的に撮ることを前提としているので、僕の中ではマスト。
シリーズ1からちょこちょこ買い直しているが、結局あまり使わずにメルカリ行きのことが多い。

6.Magsafeマウント(4,190円/Smallrig)


これは完全なオプション。
役割はiPhoneを三脚に付けるためのジョイント機材。
次に紹介する三脚にスマホマウントやMagsafeがあらかじめ付いていれば、これを買う必要はない。
ただ何かと汎用性が高いのと、超軽量のため購入。
微妙に高いのが難点。

7.三脚(3,890円/Smallrig)


三脚もお持ちのもので代用可能なので、これもオプション。
普段はミラーレス用の中でも軽量のものを使っているが、スマホ用と考えると少々オーバースペック。
これの良い点は、超軽量。
しかも収容時は29cmまで小さくなるので、カバンを圧迫しない。

という七種の神器を買ってみた。

総額

総額は・・・
iPhone 17 Pro Max 512GB(229,800円)
アクセサリー類(65,269円)
合計:295,069

ここからiPhone17無印(129,800円)を引くと、
差額は165,269円となる。

しかしながら、この値段で新品のカメラを買うことは正直難しい。
ということで、iPhoneは買い替えない前提で、295,069円での購入を考察してみた。

RAWが撮れるミラーレスカメラは?

まず、今回搭載された目玉機能「RAW動画」が撮れるミラーレスカメラとなると、かなり限定的になる。
パッと思いつくので、数機種しかない。

その中で予算&スペックで選ぶとなると、先週発売されたばかりの「ニコン ZR」一択となる。
金額は価格コムで269,279円。
レンズは残りの予算で買える40mm F2.0の撒き餌単焦点をチョイス。
こちらの値段は32,670円。
合計 301,949円となる。

2025年11月2日現在の価格

 

結果、7,000円ほどはみ出てしまったが、まぁ許容範囲とさせて頂きたい。(厳密に言うとメディアもないが・・・)
ZRはニコンがREDを買収してから初めて共同開発された記念すべき第一号。
ニコン独自のN-RAWに加えて、RED伝統のR3Dでの記録が可能な唯一無二のミラーレスカメラだ。

各カメラの撮影スタイル

この二つを比べると、iPhone 17 Proの強みとしては、3つのレンズがある点。
また、追加購入したアクセサリー類で、ジンバル撮影からタイムラプスまで柔軟にこなせるオールラウンダーとなる。
一方、ZRは単焦点で手持ち撮影のみ。
NDフィルターも足せないので、撮影は昼間は室内のみ。夕方から外に出るみたいな縛りが発生する。

それでもiPhoneを選ぶ理由

それでも、いいカメラという点ではZRに軍配が上がる。
たとえレンズ一本でも、動画を撮るならこのセットの方が断然いい。

しかし、ポケットに収まるiPhoneにはロマンがある。
次回はこれを持って、出かけてみたいと思う。

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