世界をシフトするSHIFT 80。

さて、二日目の朝。
出発は6時だが、まだ外は真っ暗。
ホテルのロビーに行くと、何やら騒がしい。

外から叫び声が聞こえてくるし、無線で何か話している警備員、受付の人も外の様子ばかりを気にして、なかなかチェックアウトできない。

外に出ると、隣のビルの屋根に登り奇声を上げている女性。
「コ〜ル、ポリ〜ス」とひたすら叫んでいる。
部屋に誰か入ってきたのか、薬や酒でラリっているのかわからんが、警備員の呼びかけを無視してて叫び続けている。

これがケニアの日常…
というわけではないみたいだが、正直怖い。

さて、奇声レディを横目にバスに乗り込み、キベラの仲間と合流してナイバシャへ向かった。
ナイバシャに到着までは約2時間。
このバスの時間を利用して、今回の話をさせて頂く。

今回ケニアに来たのは、SHIFT 80のイメージカットの撮影のためである。
SHIFT 80とは、坂田”ミギー”さやかによる出来立てホヤホヤのアパレルブランド。
立ち上がりに合わせてどうしてもここケニアでの撮影が必要だった。

というのも、SHIFT 80は少し変わったブランドだ。
エシカルファッションでありながら、分配可能な利益の80%がアフリカの貧困層へ還元される。

僕自身、長年アパレルに携わっていたが、ファッションと社会貢献は相反するもので、両立はかなり難しいと感じている。
今まで色々なブランドから社会支援やチャリティーなどを目的とした企画や商品がリリースされているが、ブランドのファンと支援に目を向ける層は被っておらず、あくまでブランドのプロモーションの一環として目に映る。

ファッションに寄れば意義は薄れ、アイテムだけが消費される。
社会貢献に寄ればファッション性が薄れ、ダサいアイテムが量産され、そもそも欲しいと思うものが作られない。

支援先にお金が流れる分、「やらない善よりやる偽善」の方がいいに決まっているが、購入層の実感は薄い。

その点、SHIFT 80のビジネスモデルは支援とファッションのバランスが絶妙に保たれており、とても共感できる。

・期待されたアフリカらしさを残しつつ、東京の街中でも馴染むさりげなさ。
・ファストファッション層もギリギリ手が届くミドルレンジの価格と値段に合う高いクオリティー。
・購入者がしっかり社会貢献に参加できる投票システムによる支援先の決定。

など、目の前の洋服という物質だけでなく、購入後もその先の楽しみが広がっている。

と、気付けば外の景色は広大な自然に変わっていた。
力強い太陽にずっと先まで続くサバンナ。
時たま見える野生動物の群れは違和感の塊。
そりゃそーだ、ここは多摩動物公園でない。
いくらホンモノとわかっていても、動物園でしか見たことがないから飼われてるものと錯覚する。

遠路遥々ここまで来て、失敗は許されないため若干のプレッシャーを感じていた。

次回へ続く。

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